canson you and me ―私と貴方の歌―
FOR☆SONG

LoveⅩ~柳蔭寺 連夜 sied~


俺の名前は柳蔭寺 連夜。
いつも見かける女子・・・。
俺等が来るといつも逃げてく女の子・・・。

耳を塞ぎ、俺等を睨んで、階段を駆け上がって行く。

この3年間、月2週間位しか来た事が無いその子。
昨日も休んでいた。その前の日も・・・。
まともに来ていない女子・・・。
そして、日を増すにつれて増えていく足の痣。
虐められてんのか?
俺は何であの子が気になるんだろう。
俺は女子なんて関係ないのに・・・。

女なんて欲求不満の道具なんだ。

そう思いながらも今日も目で追っている。
いつも階段を上って行く女子。


今日はなんとなく追ってみた。行き着いたのは屋上。
後ろから声が聞こえる。
おそらく、3人も俺を追って来たらしい。

「ただいまぁ~~。エルッ!!」
元気な声が聞こえてくるが、どことなく悲しそう。
誰か居るのか?
そう思い、後ろに立った。居たのは子猫。
そいつが俺達を威嚇してくる。彼女は振り帰り、驚いた。

『何でこんな所に猫が居るんだ?』
そう言うと猫を抱きかかえて後ずさった。
怯えてる。
「何でそんなに怯えるの?」
俺の後ろから朱紫が顔を出して彼女に笑いかける。

「ま・・・まさか・・・付けて来たんですか?」
「何でそんなに嫌そうな顔するの?」
俺の後ろから藍斗も出てきた。

「嫌ですよ。私、貴方たちの事嫌いですから。」
へぇ~。
俺等が嫌いの奴もいるんだ。
猫の名前を聞いてみると、猫は鳴いてくれたが、彼女は睨むだけ。

[ねぇ、見つかった?]
[ううん。まだ。屋上かな。]
ウルサイ女子の声が階段の奥から聞こえる。

「あっ!ヤバッ!!」
そう言って、朱紫が扉を閉めて鍵まで閉めた。
「ねぇ・・・名前教えて。」
突然喋り出した月光は、ゆっくりと彼女に近づいて行く。
「・・・」
彼女は無言で俺等を拒絶する。
彼女は屋上の扉を開けた。

「どっか行って!!」
「うん・・・。ごめん。またね・・・。」
水霧が謝った。
『行くぞっ!!』
俺はそう怒鳴ってそこを後にした。

「あの子カワイイ~~❤ヤりた~い!!」
朱紫がニヤニヤしながら言う。
「僕も~~。でも性格悪~い!!」
口を尖らせながら言ったのは藍斗。
「蓮夜もカワイイから追ってたんだろ!?」
朱紫が振り向きざまに言って来た。
『あ゛ぁぁ?』
「違うと思うけど・・・。」
突然水霧が否定した。
「でも気になるよねぇ・・・。」
「うん。あの子の目・・・死んでたね。」
藍斗と朱紫との会話に俺の体が無意識に反応した。
「調べてみる?」
俺に聞いてきたのは水霧だった。
『あぁ。』



――――――もっと知りたい・・・彼女の事を・・・


        俺は初めてそう思った・・・――――――――――
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