身勝手な恋情【完結】

「いたた……っ……」




っていうか、胸が痛むとかそういう以前に、本当に「痛い」んだけど。

おなかの上のほうがキリキリと切りつけられるような痛みが走る。



「――君、しっかりして!」



立花さんが崩れる私の体を支える。



「すみま、せ、」



痛みと羞恥と、なんだかごちゃごちゃになって、どっと汗が噴き出してくる。



「――草介君!」



早く起きなきゃ……

また二人に迷惑かけてしまう……。



「はい? わっ、どうしたんですか!?」



早く――



でも



「痛い……」




生まれて初めての痛みに、完全に気が遠くなっていた――。





< 247 / 469 >

この作品をシェア

pagetop