身勝手な恋情【完結】

「いい眺め」



壁に両肘をついた至近距離で、社長は楽しげに薄い唇の端を持ち上げる。



「俺は同じ女と二度寝ない主義だけど……ほんの少しだけど、お前に興味が湧いてきたよ」



興味……?



「だからいたぶらせて」



はい……?



「飽きるまで、お前のことをいたぶらせて」



まるで純真な子供のオネダリをするように

社長は私を澄んだ瞳で見つめていた――。







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