江藤君に呼び出されて、昼休みに屋上に向かった。


この時間、誰もいないとは言えない。
だけど少し奥まった方に向かえば、どこよりも人目につかない場所ではある。


「……」


向かい合ったきり黙り込んでしまった江藤君に、私も視線を伏せる。


何を言いたいのか。
考えた二つの選択肢のどちらかだとわかっていても、私も言葉を促せない。


「……あれから、梗也と話した?」


そっちか、と思いながら、直ぐに首を振った。


「忙しいのかな。
帰って来るのも夜中みたいで、顔も合わせてない」

「連絡は?」

「ないよ。
……って言うか、元々そんなことで連絡取り合う仲じゃない」


敢えて明るく笑うと、江藤君の表情も少し和らいだ。


「……悪かった、って思ってるんだ」


ポツリとそう言われて、私は俯いた。


「自覚が足りなかったとか、そういう意味で。
バレないって思ってても、どこでマスコミが見てるかわかんないのに。
……結局、美優にまで迷惑掛けた」


本当に沈み込んでしまいそうな江藤君の声に、私は慌てて声を上げた。

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