《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~

羨望ー美苑SIDEー

私と祐早斗は病室の開いたドアの隙間から緑川夫妻の甘いムード漂う姿を眺めていた。



「さすがは新婚さんだなっ」


「・・・たまには帰って来てよ…寂しいんだから」


「俺が帰れば散らかるだろっ?」


「それくらいいいわよっ」


「身体は大丈夫か?」


「え、あ」


祐早斗のブラックパールの瞳が身重の私の身体を気遣った。



「早祐の時よりもつわりが軽いから大丈夫」



「そうか」
祐早斗は急に私の腰を抱き、抱き寄せた。




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