《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
休憩時間も後10分残して、社屋に戻った。

ソーマの社屋のシンボル・獅子の像の前に佇む黒いサングラスの男性。


「!?」


男性の横顔は元カレ・誠一郎さんに似ていた。



「ちょっと君…ソーマの社員?」


「はい、そうですけど」


「相馬社長に緊急で…受付を通さないと…ダメか…」


「私、受付ですけど」


「よかった」
男性は安堵して、吐息を漏らした。

声は違うけど、誠一郎さんに顔は瓜二つ。


「受付席に案内します」


「ありがとう」

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