恋をするということ


ーーガラッ



旧校舎だけあり、扉が少し錆びれていて
思った以上に大きな音がする。


図書館に入ったとたん、
彼が机に伏せて寝ている姿が目に入る。


それだけで私の心臓の鼓動が
速さを増し、
この心臓の音が
彼に聞こえてしまわないだろうか、
ということに緊張してしまう。


「りゅ、龍くん………?」


恐る恐る彼に近づき、声をかけてみる。


きれいな顔……。
翠ちゃんとはまた違ったかっこよさで、
私の心臓を余計に拍動させる。


彼の髪の毛を触ってみる。

「私よりさらさらだ。」


それから手を下におろしていき、
顔を触ってみる。

こっちも私より
さらさらですべすべな肌に、
少し嫉妬をしてみる。


「何してんの?」


私の手をつかんで彼が起き上がる。


久しぶりに間近で聞いた彼の声は、
4年前と比べてだいぶ低くなっていて、
やっぱり成長したんだな
と思わせられる。

そんな声に少し緊張してしまって、

「やっ、あの………」


返事につまる。
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