曖昧ショコラ【短】
この状況をどう判断すればいいのか、全くわからない。


さっきからドキドキと騒ぐ胸に戸惑いながら、そんな場合じゃないと自分を叱責する。


「……退(ド)いて下さい」


発した声が意外としっかりしていたのは、この状況が二度目だからだろうか。


「さっきの話、聞いてなかったのか?お前は今から俺に抱かれるんだよ」


「バカな事言わないで下さい。先生には恋人がいらっしゃるんでしょう?」


眉を寄せて訊けば、篠原は大きなため息を零した。


「バカはどっちだよ……」


険悪だった雰囲気を、どこか呆れたような表情の彼が和らげた気がした。


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