無添加少女
あたしは、指定の学生鞄からアレを取り出した。

「は…マジかよ!!?」

あたしはウルサイ男子を横目にパラリと少女漫画を取り出した。

嫌なことがあったら、これに限る。

少女漫画はすごくいい。

学校でモテモテな王子さまみたいな男の子が、主人公を無条件で愛してくれるの。

どんなにいじめられても、不幸のどん底に落ちても、可愛いねって抱き締めてくれて、好きだよってキスしてくれるの。

「なんだぁ、このオンナ、ブスな上にオタクかよ、マジで気持ちワリィな!!」

こんな風に、漫画の王子様は汚い言葉をあたしに向けない。

あたしは現実から避けるように、漫画を読みながら男達を無視して体育館に向かおうとした。


突然風が吹いて、桜の花びらが空に舞った。


「なにやってんだよお前ら」



低くて、けだるそうな声。

でもなんだか色っぽい声。

「一人のオンナによってタカってみっともねぇな」


もしかして、あたしにも漫画みたいな出会いが…?
< 4 / 8 >

この作品をシェア

pagetop