AZZURRI~AZZURRO番外編~
閑話 近衛副長官の独り言
ポールの部下で近衛副長官のゴルチェは
元はカイルで有名なチンピラだった


腕っ節は強く義理人情に厚い彼の元には
社会のはみ出し者たちが多く集い


ゴルチェの率いる集団はもはや
帝国も無視できなくなっていた


そんな折
ふらりとポールがその集団の前に訪れ
ゴルチェをいきなり殴り飛ばし
叩きつぶした

集団の中で一番の強さを売りにしていたゴルチェを
完膚なきまでに打ちのめしたポールは


悔しさに復讐を叫ぶゴルチェに爽やかに言い放った


「悔しかったら俺のところまで来てみろ。」


当時のポールは帝国軍の精鋭部隊のエースとして
「紅の獅子」の異名の元
大活躍しその功績が認められ
クリスの近衛兵に任命されたばかりだった


そんなポールの言葉はゴルチェのプライドに大層食い込み

「すぐに追いついて叩きのめしてやる!」


その雄叫びと共にそのまま入隊し
ぐんぐん成長し頭角を現した


それから数年後
ついにクリスの近衛兵に任命されたゴルチェ


その時すでに近衛長官になっていたポールは
それまでのゴルチェの努力を認め彼を入隊してから異例の速さで
副長官に任命した


それ以来ゴルチェはポールを心から尊敬し
付き従っている

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