Memory

体育祭


「いや~、やっぱハーゲンダッツは最高よね」


「そーだねー!あぁ、もう一回食べたい…」


「……冷たかった」


課題テストで見事優勝したあたしたちのクラスに贈呈されたのはハーゲンダッツ人数分。


最高に冷たくておいしかった。


冷たいと思うのは無理もないと思うんだ。


だってまだ4月の下旬。


あたしにとっては4月の下旬は春上旬。


「うぅ~…まだ寒いよぅ…」


菜々に引っ付くと菜々は笑った。


「月水は寒がりなんだねー。冬とかどうしてるの?」


「そーよねぇ…。アイスごときでこんなに寒がるなんて…、しかももう4月下旬なのに」


「凍死しちゃってたり(笑)」


「他人事だと思って…」



むぅ…とふくれるあたしに二人はごめんごめんと謝る。


「けど、ほんとにどうしてるの?」


「そうだなぁ…、カーデは着っぱなしでヒートテック2枚重ね、コート、ストッキングにカイロ…。
とりあえず温かいものは手放せないかなぁ…」


「た…大変そうね…」


「冬は地獄だよ…」


そう。

冬は地獄…

寒いの一点張り…っていうより身の危険。


寒さは体の大敵ってね。
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