矢刺さる先に花開く

前夜―重盛―



父上に言われてやってきたのは、暫く御世話になる、おばばさまの従兄弟であった故・中納言家成殿の御邸だった。


――父上の御為、働かせていただけるのか…


――いや、活躍どころか命を落とすやもしれぬ…


此処へ参上つかまつる前より、ずっと思っていたことだった。


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