小さな村で少女は村の外を知らずに育った。


 重い病に侵されていたためだ。


 ある日、そんな少女を元気づけようと兄がこっそりと村の近くの湖に少女を連れ出す。

 だが、そこで少女は発作を起こし、兄がうろたえる最中辺りの茂みが揺れる。


 大人たちは言っていた。
 
 ――凶悪な魔物が居るから、決して子供だけで村から出てはいけない――と。