君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~

決意と夢

ーーーー


「琴音~、空斗~!聞いてくれよ!!」



学校帰りなのか、制服姿の蓮があたし達のいる、空斗の病室に入ってくるなりそう叫んだ。



「蓮!?どうしたの?いきなり…」



「お、琴音よくぞ聞いてくれました!!」



「で、何?」



空斗はあたし以上に興味津々だ。




「俺、デビュー出来るかもしれない!!」



デビュー…?




「ほんとか!?よかったじゃん!」



空斗は何か知っているみたい。



「なんの?何にデビュー…?」



そう聞くと、蓮は満面の笑みで応えた。



「小説家!」



はい!?小説家?蓮が?



「それって…どういうこと?」



「俺、ケガのせいでサッカー出来なくなってさ。」



うん、空斗から聞いたよ?



「もう、ボールを見るのも嫌になって。


でも、空斗が言ってくれたんだ。


"今が最低なんだから、これ以上悪い事は起こらねーよ。


自分にできる事探してさ、頑張ってみれば?"って。」



空斗と蓮は本当に親友だったんだね。



「で、小説家目指してみたってわけ!」
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