何度でも何度でも…

2日目 夜

……終わった

すべてが……



さっそく副医院長室にお呼び立てしようとする白鳥親子を振り切り何とか帰宅

ろくに挨拶もせずに自室に飛び込んで、服を脱ぎ散らかしベットに突っ伏してやっと頭が現状についてきた

思うのは、

疲れた…

それだけだ

「はあー」

ため息をつくとしあわせが逃げるっていうからため息はつかないのがしるふの信条

でも今日だけは、今日だけは、

この胸につかえる言い表せない思いを吐き出すのに使わせてほしい

だって、この状況でため息が出ない方がおかしいじゃないか

「どうしろって言うのかなー」

両の手で顔を覆ったせいでくぐもる声

ふとベッドにうつぶせになるとカバンから顔を覗かせている携帯が目に入る

手を伸ばして届くそれをつかみ、呼び出すのは見慣れた番号

そして思い出すのは、あの落ち着いた声音

< 50 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop