シークレット ハニー~101号室の恋事情~
◇元彼からの接触



「電話、なんで無視するんだよ」


お昼ご飯を済ませて更衣室に戻ろうと階段を下りていた時、待ち伏せしていたらしい野田に急にそんな事を言われた。


「電話って……ああ、昨日の夜の?」
「そう。結構しつこく鳴らしたのに出ないし、折り返してもこねーし」
「ああ、野田だったんだ。
知らない番号だったから間違い電話かと思ってた」


昨日の夜は五十嵐さんのせいで時間がなかったから、確認したのは今朝だけど、着信は登録していない番号からだった。
だからてっきり間違い電話かと思っていたのに。

でも、野田からだったら間違い電話どころか無言電話の方がまだマシだったな。


「誰に番号聞いたの?」


高校の時とは機種も番号も違う。
野田は壁に寄りかかりながら「社員名簿から抜いた」と答えた。




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