桜涙 ~キミとの約束~

✿幼なじみ リク



ひらり、ひらり。

薄紅の花びらが舞い散る。


緩やかに降る桜の雨の下で、少年は肩を震わせ泣いていた。

膝を抱えて、顔を伏せて。


「どうして泣いてるの? かなしいの?」


小さな私が少年に問いかける。

けれど返事はなく……

私は、一歩、また一歩と少年に歩み寄った。

彼は相変わらず私と同じくらいの小さな背を丸め、泣いている。


泣かないで。

元気を出して。


そっと少年に触れようと手を伸ばせば……





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