朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~

婚姻の儀、の巻

それから数日後、澄み渡る青空の中、柚と暁の婚姻の儀が行われた。


通常、天皇の結婚の儀式はとても煩雑で数日間にわたって大々的に行われる。


しかし、柚と暁の意向により煩雑な儀式は取りやめ、主要な儀式のみを行うことになった。


それでも、儀式は三日間にわたって行われるので、柚はげんなりしていたのだった。


 一日目は、五衣唐衣装に身を包み、先祖の神々に結婚を報告する「奉告の儀」が行われた。


この日のために造られた社殿は1200平米ほどの体育館並みの広さがあり、そこに三種の神器が祭壇に祀られている。


屋根は高く、祭壇がある以外に物はほとんどない。


そんなだだっ広い空間に、神職の長と暁と柚の三人のみが鎮座し、約8時間、正座をしながら祝詞を聞くだけの儀式だった。


 剣道を習っていたので、正座は得意だったが、8時間も飲まず食わずで正座をするというのは拷問に近かった。


しかも神職の長の祝詞は、何を言っているのかさっぱり分からず、途中で子守唄のように聞こえてきて、眠気を我慢するのが大変だった。


だが、暁は神聖な面持ちで姿勢を正し聞いているので、音を上げることもできなかった。


そして柚は八時間もの苦行に耐えきったのだった。
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