柚は今宵も帝を迎えるために、念入りに身なりを整えさせられた。


桃蜜の香を肌に塗られ、白磁色の高級絹着物を緩めに着せられた。


なぜ緩めかというと、しどけない姿を帝がご覧になれば、その気になってくれるだろうという由良の策略だった。


由良がそんなことを考えているとは思ってもいない柚は、これは楽でいいとすっかり寛いでいた。


柚が大股で歩いたり、気楽な姿勢で座っていると、滑るような白い太ももがひょっこり顔を出す。


普通であれば、はしたないと注意すべきところだが、由良はその姿に満足気に微笑んだ。


「それではわたくしはこれにて失礼させていただきます」


「うん、また明日な!」


 柚の純真な笑顔に、ほんの少し胸が痛む由良であったが、これが柚様の為になるのよ! と幾度も自分に言い聞かせた言葉を心の中で呟いて部屋を出て行った。