柚が朱凰国に来てから数週間が経過した。


 柚は相変わらず帝の妃として生活し、夜は暁と共に過ごした。


二度目のキスを許した時から、二人の間は微妙に変化していた。


二人の間で唇を交わすことは日常化され、心の距離も日増しに近付いている。


とはいっても、暁は柚の気持ちを尊重してキス以上のことはしてこないし、時々気持ちが高まって深いキスに発展することもあったが、柚に戸惑いの色が見えると、強引にそれ以上激しくはしなかった。


 柚は、どうしてキスをすることが当たり前となってしまったのか、我が事ながら不思議ではあったが、嫌ではないから受け入れてしまっている。


むしろ、暁のキスを心待ちにしているような気持ちもあって、そんな自分に驚いてさえもいる。


 暁のことを好きかと聞かれたら、好きだと思うけれど、それが恋愛感情の好きなのかと聞かれたら、正直いってよく分からなかった。


まず、恋愛の好きがよく分からないのである。