いくら6月とはいえ、確かに雨に打たれれば身体は冷える。


『帰ったらすぐにお風呂に入って!』


なんて命令を聞いてる私もどうかしてると思うが……。

桐生家の風呂に入って寛いでる、なんて。

今の自分の状況に自嘲すればその声すら風呂場に響いた。

にしても八重があの場に現れるなんて。

まだ奏様に心があるのか、それとも別のところか。

それは分らないが葛城の事まで知っているとは、

女狐め。

確かにこれまで奏様の女性との付き合いはどれも長いものは無い。

葛城を除いては。

ただあれにも事情があってのことだと思っていたのだが、違うのか?

なんて。

頭を振って熱を冷ます。

そんなこと、私には関係ない。

寧ろ関わってはいけない。

ぱしゃっと顔にお湯をかけて、すべての考えを追い出すようにもう一度頭を振る。

さあ、次の仕事に取り掛からねば。

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歴史  公家  政略結婚  歳の差  紳士  鬼畜  恋情  拘束  切ない  金魚鉢 

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