正直、どうして彼女なのか?

不思議で仕方なかった。

今までの彼の遍歴を見れば、どう考えても彼女を選んだ意味が分からない。

割り切った大人の関係、とでも言えばいいのか。

魚心あれば水心あり。

そんな相手ばかりの中で彼女だけが異色。

いや、そもそも『女性』とも言いがたい。

まだ少女といってもいいくらいだ。

いくら彼女が公家の出だとしても、彼は古いしきたりやしがらみを毛嫌いして骨董品など目もくれない人間だというのに。


「如月と申します。これから、千紗様のことは私が仰せつかりましたので」


初めて千紗様に会ったとき、彼女は私をまるで親の敵でも見るような目で見ていた。

幾度桜井家に顔を出しても決して私に心を許すことなく、目は伏せたまま感情を殺して、


「分かりました」


そればかり繰り返す彼女。

そんな彼女に同情してしまうのは仕方の無いことだろう。

なにせ、相手は奏様なのだから。

この作品のキーワード
歴史  公家  政略結婚  歳の差  紳士  鬼畜  恋情  拘束  切ない  金魚鉢 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。