【完】小野くん症候群






そして最近分かったこと。

小野くんの笑顔は全然クールじゃない。


むしろ可愛い。



そして小野くん自体が

本当はクールじゃないこと。




「でもさー、こんだけ買って当たんねえとなると俄然燃えてくんだよなあ」

「ホントに好きなんだねー」

「……わりーかよ」

「え、なんで照れんのそこで!」


赤く染めた頬を横に背けた小野くんの意外な反応に、あたしはときめく前に驚いてしまった。



「なんかさ、分かってんだよ。

俺が楽しいって思うもんは、他からしてみれば幼稚に思えるもんだってこと」


「(あ、一応分かってたんだ)」

「かなり前に、友達にコレ見せたら結構引かれてさ」

「うん」

「なんか、そんとき結構温度差感じた」



空になったカプセルをベンチに転がしては他人事のように淡々と話す小野くん。




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