翌朝はどういう顔していいか分からなかった。
 湯気にぼやけて見えた千賀さんの身体が脳裏に浮かんでくる。
 水の滴る艶やかな髪、その雫を吸い込む鎖骨の窪み、隆起した胸、ほどよく割れた腹筋。

 それから……。

 キレイな肩、男らしさを感じさせる肩甲骨、指でなぞりたくなるような背筋、引き締まった腰。それらはまるで彫刻みたいだ。

 あんな美麗な身体を見せられたら、とてもオッサンだなんて笑えないよ。
 それどころか……同年代の男の子よりずっと色気があってセクシーでとにかくフェロモン開放しすぎ。あれじゃ美女が放っておくわけないよ。

 仕事柄、体力つけるためだって、時間見つけてジムに行ったりしてちゃんとケアしてるんだよね。それもSPACっていう警護会社のボディガードがいるところで。

 千賀さんは言わないけど、私たちを守るためにそうしているんだって、ボディガードのひとり、千賀さんの同級生であり、私が十五歳のときに警護してくれていた後藤修司《ごとう しゅうじ》さんから内緒で聞いたことあるから……知ってる。

 それに比べて相変わらずお子様体型な自分を振り返ると、今でも顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。

 しかも理沙からあんな話題を振られたばっかりだし、気まずすぎる。
 だから、千賀さんがコーヒーを一杯飲んでぼーっとしているうち、さっと朝早く出ていこうと思ったのに「待て」と捕まってしまって心臓が飛び出そうだった。
 

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