冬化粧
「なんだってこんなに寒いんだよ…。」

俺が朝から悠斗にさらっと聞くと、いつもどうりの幸せそうな笑顔でこう言うんだ。

「俺って寒いとかわかんねぇんだよなー。俺の家はいつもさみぃーし。葉瑠夜の家は温かいもんなー。いいなぁ。」

あームカつく。こんなに寒いのに平然と外に出て平気とか。悔しいけど負けた気分だ。それに家は温かいけど寂しいもんだよ。一人っ子だし。


「じゃあ今度バイトした金で温かいご飯でも食いに行こうぜ。」

俺は自分の金の使い方がわかんねぇから、悠斗と遊んでるのが好きだ。

「マジで!?…でもいつも奢ってもらって悪いからさー。今度、うちの家でも遊びに来てよ。妹とかまた遊びたがってるし。」

悠斗の妹か…。こいつシスコンだからなぁ。なんで悠斗だけ男で平気なんだ…。俺なら女ばかりなんて嫌だな。


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