溺愛シンデレラ~キミとHappyWedding~
いつもならお母さんの『お帰り』の声が玄関先に響き渡るのに。
お母さんの声が聞こえて来ない。


私は首を傾げながら、リビングに入っていった。


「お母さん…」


リビングに飾られたクリスマスツリーの電飾がチカチカ点灯を繰り返す。


「!!?」


ファンヒーターで温かいはずの室内には冷たい空気が漂っていた。



私は一歩二歩とゆっくりと足を進めていく。


キッチンのフローリングに血まみれで倒れこむお母さんの姿。



お父さんは誰も居ない工場で首を吊っていた。



お父さんはお母さんを道連れに借金を苦に無理心中を図った。






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