溺愛シンデレラ~キミとHappyWedding~
フランネル素材のブラックシャドーストライプのスーツは彼の身体のラインに無駄なく現していた。


上質さを感じさせる生地の厚さから見て、スーツはオーダーメイド。


私は学生時代、紳士服のオーダーメイドショップでバイトしていたから生地を見てひと目で、その生地の良さを見抜くコトが出来た。


樋口さんはいい所の坊ちゃま?



「俺はキミに風邪を引かされたのに、キミに風邪の引いた身体を労われるとは変なキモチだ」



「あ…本当にすいません・・・」


「キミのお茶…美味いから…俺のお茶はキミが淹れて…加西さん」



「あ、はい」


樋口さんは空になった湯呑みを私に返した。


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