お母さんが優しくささやく。
ううん…
もう山姥が前のあなたを食べちゃったんだから。
今からは新しいあなた。
いいえ、前のあなたに戻ったの。
息子と出会った頃の、
あなたにね。
涙が溢れて声に詰まる。
でも…
彼氏が一生懸命言ってくれたんだ。
だからわたしも応えないと。
こ、こんな
わたしだけど、
あなたと一緒にいたい。
だって…
わたしの居場所は…
そこにあるんだ、もん。
お母さんが彼に言った。
これからはもうあまり頼らないでよー。
そして、わたしの方を向いて、
わるい女の子は退治したから…
わたしの役目はもう終わり。
あとはよろしくね。
と言い残して病室から出ていっ た。