青いブレスレット
わたしは黙ってしゃがみ、バラバラになったビーズを拾う。



思ったよりもすぐ全部回収できた。



広げたハンカチに載せ、じっと見つめる。



さっきまでわたしの左手首にあったのに。

全部繋がって。



…さっきまで水原くんはここにいたのに。



もう2人で手を繋いで歩くこともない。


そわそわしながらメールを待つこともない。


サラサラだねって髪を触ることもない。


キスすることもない。


抱きしめられることもない。



「雪川さん」って優しく呼んで、嬉しそうに笑ってくれることもないーーー。



そう思った瞬間、ビーズに雫がこぼれる。



いくつも、いくつも。



わたしは誰も通らない道で、声も上げずに、泣いた。




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