青いブレスレット
そう決めて、わたしは明日の学校の準備をし始めた。


冬休みの課題を確認して、バッグの中をチェックして、制服を用意して……。



制服を用意しようとクローゼットを開けると、手芸屋の袋が目に入る。


「あ、これって…」



思わず手に取り、中身を見た。



…そうだ。

クリスマスに水原くんにあげようと思って編んでたマフラーだ。


まだそんなに経ってないけど、懐かしいなあ。



一か月前くらいに編んでたんだっけ。



あの頃は、クリスマスまでに完成するかドキドキして、でも水原くんどんな反応するかなって考えてワクワクして。



楽しかったな。



そんなことを思いながら、一人で笑っていた。

でも…また涙が出てきた。



編みかけのマフラーをぎゅっと抱きしめる。



わたしは本当に、中谷と戻りたいと思ってるの?



そう、思い込もうとしてるだけじゃないの?



傷つくのがこわいから。



決意したはずなのに、意志が揺らぐ。



「っ!だめだめ!」


わたしは自分に言い聞かせるように、自分の頬を両手でパシッと挟むように叩いた。



わたしは携帯を取り出し、短いメールを打った。


【明日の放課後、この間の返事をさせてください】


これだけ書いて、中谷に送信。



1分も経たないうちに、返信が来た。



【分かった】



それを確認して、わたしはベッドに入った。
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