青いブレスレット

MVP

千夏ちゃんに謝って、わたしはソフトボールを観に行くのをやめた。



なんとなく、観に行く気がなくなった。



中庭に行って、一人で木にもたれ掛かって座っていた。



左袖を捲ると、ブレスレットがある。


だけど、もう元気が出てこない。




「はあ…」


「何ため息ついてんだよ」



誰かに声をかけられる。


ビクッとして振り向くと、中谷が立っていた。


「なんでここに…?」


「ここにいるのが遠くから見えたからよ」



誰にも見つからないと思ったのに…。



「こんなとこで何落ち込んでんだよ。ダメだったのか?」


「…そうじゃないけど……自信がなくなっちゃって…」



わたしはまたうつむいた。



「やっぱりわたし、可愛くないからさ。ダメなんだよ。中谷だって、そんなわたしだったから振ったんでしょ?」



苦笑いしながら言った。

すると………。



「だったらこんなとこで落ち込んでんなよ、バカじゃねーの」



!?

何その言い方!


「なによ!あんたには関係ーーー…」

「関係あるわボケ」



中谷はわたしの手を引いて無理やり立たせた。



そして、手首を掴まれたまま、木を背に追いやられる。


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