淡恋~あいつがくれた恋~

最悪の知らせ

あれから三日後のHRで

私は衝撃的なことを知らされることになった…。



~~~


「明日の学校交流で一日、うちのクラスにやって来る◯◯中学校の人は男子生徒さんで"深町光輝"さんです。明日は…」






私の頭の中に深町光輝という言葉がずっと渦巻いていた。





どうして…?あの人が…?








私は絶望的だった。










~~~深町光輝

小学校のとき、私が片想いをしていた人だ。

ともかくあいつは優しかった。

凄く優しかった。


ただ、甘いだけの優しさじゃなくて、不器用な少し厳しいさりげない優しさを持ってる人だった。



ずっとずっと好きだった。




塾で小4で一緒になってそれから小6までずっと一緒だった。






ずっと一緒だっただけど、想いを伝えることすら出来なかった。






あいつと話すことすらまともに出来なくて…


あいつの前だと凄く恥ずかしくて、あいつと話すとき凄く照れちゃって声を出すのがやっとだった。












何回傷つけたかな…?












私のとっさに出てきた言葉であいつの傷ついた表情を何度もみた。



その度、胸が痛んだ。






好きだったからこそ、素直になれなかった。







ある意味、憧れだった。


普通に話せるようになる前に、惚れてしまったから。




近かった筈なのに決して近くはなかった。






遠かった…凄く遠かった。







あいつは私の気持ちに気付いていたのだろう…。

今年の5月、あいつの学校の文化祭に行ったとき(電車で一時間)…私はあいつを探した。




もう一回会いたくて。





展示品とかを見て、あいつの足跡を見ることが出来て本当に嬉しかった。



そしてあいつは私に気付いた。




通りすがりに後ろから私の肩をぽんっと叩いて行ってしまった。







そのとき気付いた。














多分、あいつは私の気持ちに気付いていたのだろう、と。








~~~








だけどもう会いたくない。









また、正面からあいつの顔を見てしまえば…好きになってしまう







そんな気がするの。







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