「ねーぇ、透未」
「おや、透茉はどうしたんです?」

厨房で茶菓子を作るのに熱心になっていた透未が気付き、はいはい、と春礼に笑いかけた。

「まいてきたの!だってずっと怖い顔で私のことを追いかけるんですもの!」
「そりゃあ、仕事ですからねぇ…」
「どうせなら透未のような人が良かったわ。」
「あれで春礼さまのことを大事に思ってるんですから、そんな風に言わないでやってくださいよ。感情の出しにくい性分なだけで話しかければ答えますから」

ふーん、と話半分で聞きながら、おやつの時間はもう少しかかるらしいと言われ、中庭に出ることにした。花が咲いていた、赤い、綺麗な花で、見たことのないものだった。

「すごい、きれー」

摘んで、部屋に飾るのはどうだろう、白い部屋に赤い花は映えるだろう。
幼く雑な手先で力任せに握って花を摘む。

「あ!春礼さま!!」