空に託す想い~叶多*空夏~

4.気づいた想い





*空夏*






夢を見た…





幼い頃の夢








私には幼い頃の記憶がない。







でも、幼い頃の夢を見るときがよくある








いつも誰かわからない男の子が言ってくれてる









「大きくなったら君を迎えに行く」








って。










でも、その男の子が誰なのか、どうして私を迎えに来てくれるのか、いつもわからない…










もう少しで顔が見えるってところで、いつも目が覚めるから…











ねぇ、あなたは誰なの?










どうしていつも私の夢に出てくるの?








どうしていつも……






「空夏」









誰?











誰が呼んでるの?








私はまだ此処に居たい。





夢に出てくるあの子の顔が見たい。





でも、男の子はまだまだ遠くにいて、顔が見えない。









「空ちゃん。きっと迎えに行く」









そういって離れて行こうとする男の子を追いかける












「待って。

ねぇ、待ってよ」







少しずつ、少しずつ彼との距離が縮む





あと少しで追い付く








って所でやっぱり目が覚めた…













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