不思議の国の俺。
~出逢い~

何かに落ちた

_____始まりは、興味だった。

興味さえ持たなければ、

こんな事にはならなかった____

少し前に遡る。

暖かい春の日だった。

夜に、

俺は、いつも通り仲間と遊び、

もうすぐ夜が明ける、というような

時間帯。

妹のミヤビにばれると面倒くさいので、

家路を急いでいた。

都会の中の森。そこは、

俺が住んでいるのマンションへの、近道だった。

森の中に入った途端、

異様な雰囲気を感じたが、

それでも、この時、一番恐ろしかったのは

妹だった。前へ、前へ、と葉を掻き分け

進んでいった。

「…何だ、これ。」

途中で見つけたのは、地面の膨らみだった。

妹に、よく、小学生みたいだと

言われるのだが、今思えば、本当に

その通りだ。

俺は、その上を踏んで、前へ進もうと

した。しかし、その時、

背中に、ゾクリ、という

絶叫マシンに乗ったときのような

感覚を味わった。


_____そう、落ちていたのだ。
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