これはある異国の地に伝わる、銀の鳥籠姫と呼ばれる一人の少女と狼種の生き残りである孤独な少年との
真実の愛を共に綴る
いちばん愛しくて、
最も哀切な赦されざる愛。
血塗られた呪われた伝説の物語。
◇◆◇◆◇
物語の舞台は、人と獣達が共に暮らす世界。
四方を豊かな大自然、美しい森に囲まれたヴァスターベル王国。
しかし、そんな平和な国に、ある時、ある疫病が蔓延しはじめる。
その疫病の名は――ゾイドウッド。
その原因は誰にも分らず、人々はただ恐怖と戦うしかなかった。
だが、いつしか噂が広がり始める。
病の正体は狼種の呪いなのだと――――……。
その真偽が分らぬまま、狼狩りが発令され、
狼は根絶やしされるのだった。
それから数年後――。
外界から隔離されの塔の中で大切に育てられた
リーシャ。
彼女の16歳の誕生日に人生の転機が訪れた。
初めて外に出ることを許されたその日、
彼女は狼種の青年・ジルに出会い、
攫われてしまう。
様々な思惑が絡み合う外界にて、彼女はヴァスターベルの真実を知る――。
◇◆◇◆◇
なんで……こんな……
ずっと……オレの側にいるって言っただろ……
こんな世界なら……消えてしまえばいい……
お前のいない世界なんて……
もう……ぜんぶ……無くなればいい……
それでも孤独で優しい狼は一人の少女を愛した。
『……なぁ、お前はオレが生きていたことを覚えていてくれるか……?』
1013公開予定。