オレ様専務を24時間 護衛する
京夜side
彼女と最初で最後のデートをした1週間後。
俺は実家を訪れていた。
日曜日という事もあり、両親揃ってテラスにいた。
「………来たのね」
「あぁ」
「もう………気持ちの整理はついたの?」
「………あぁ」
先週、彼女とのデートをする前日、
全く同じ場所で母親から今までの経緯を全て聞かされた。
聞かなければ良かったと思う反面、
もっと早くに聞きたかったと思うほど衝撃的で。
彼女のこれまでを考えたら、
俺のこの手で幸せにするのが当然なのかもしれないが、
俺に彼女を幸せにする甲斐性はない。
『男』として、まだまだ未熟すぎる。
あんなにも素敵な女性の一生がかかっているんだ。
そう簡単に安請け合い出来る筈も無い。
だから、俺はあの日、母親にこう告げた。
『これ以上、俺の人生に巻き込ませたくない。彼女には彼女の人生がある。俺らが決めるのではなく、彼女自身が自分の人生を決められるようにしてやりたい』
俺が口にした言葉の真意は、
俺と両家の両親が決めるべき事では無いというものだった。