ろみじゅりっ!

純血種



入学式を終え、
新入生だけの会が開かれた。

これはこの学園の
伝統儀式らしい。

そこで、寮長となる者が
軽く挨拶するらしい。

当然、
今年は私と悠が選ばれた。

こういう面倒くさい役は
私も悠も嫌いなんだけど。

「純血種ってのも楽じゃないわね」

「のばら…そんなこと言ってないで自己紹介」

「えっと…華月のばらです。よろしく」

そっけないのは承知の上での
自己紹介だ。

こういうイベントが昔から苦手で
いつもこういう挨拶しか
してこなかった。

「のばらはそっけないふりして…ほんとうはすごく優しいんだ…」

「ちょっ、悠!!余計なこと言ってないでさっさと挨拶したら!!?」

「…ふっ。はいはい。僕は…月影悠。のばらとは幼なじみなんだ。あまり敬遠しないで話しかけてね」

となりに立っている悠
私を見て笑う。

「昨日の答え…学園のなかだけでも昔みたいにのばらといれたらって思ってるんだ…。だめかな…?」

「…仕方ないから…許してあげるわ」

ちょっと泣きそう。

悠。

私、なにがあっても

あなただけは信じる。
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