静かな図書館で…
図書館では静かに本を読みましょう。



「今日はそれ読むのか?」



「うん。このシリーズおもしろいから」



今日は彼氏と久々のデート。
といっても、図書館で本を読むっていうシンプルなことだけど。



だけどわたしは、そのシンプルな時間が好き。
こうしてふたりで本を読むのが、わたしにとっての幸せなの。



しばらくして、彼が飲み物買ってくると言って席を立った。
―――この瞬間から、わたしの"イケないこと"がはじまる。



「……待ってたよ。今日も来てくれたんだね」



「ええ。……わたしも待ってたの」



「―――君のその物欲しそうな顔、見てるとたまらないな」



そう言ってわたしの頬に触れる彼の手。
わたしもその手に触れる。



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