ハンドパワー

「私のお母さんは?   お父さんは?」


「あのおじさんから聞いてない?」


「まだ会えないって聞いた」


「温秘ちゃんのお父さんとお母さんは、

天国に逝っちゃったよ」

「え?」


それから私は、何時間も泣き続けた。


合田さんが泣き続けていた私を、必死に慰めようとしてくれたのを

よく覚えている。
< 8 / 576 >

この作品をシェア

pagetop