「リゼ様大丈夫ですか?」

七ノ宮に戻ると、メイが心配そうに聞いて来た。

「なんだか圧倒されて……特にエリス様は凄いのね」

「エリス様は、この国で一番力の有る公爵家の姫君ですから」

お茶を差し出しながら言うメイの言葉に、リゼは心底納得した。

やはりあの威圧感は、生まれついてのものなのか。

「そういえば紹介の時、他の方の出自については説明が有ったのに、エリス様については無かったわ」

「わざわざ言わなくても、知っていて当然だろうという事でしょう」

「……そう」

この先、エリスと関わっていくと思うと気が重い。

既に出来上がっている上下関係。
監視されている生活。

そんな中で、王の寵愛を競うなんて考えられないし、そんな気にもなれない。

早く、誰かが正妃に選ばれたらいいのに。
そう考えている内に、不意に疑問が浮かんで来た。

「ねえ、メイ……」

メイに聞いてみようと、声をかけたのと同時に、

「失礼いたします」

侍女が一人、部屋の入り口に来て言った。


「どうしました?」

メイが応えると、侍女は頭を下げながら報告した。

「五ノ宮のリュート様が、リゼ様にお会いしたいと、おいでになっています」

「えっ?」

思いがけない人物の訪問に、リゼとメイは顔を見合わせた。

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