後宮での暮らしは、リゼにとって退屈極まりないものだった。

他の妃達は茶会等を開き、交流もしているようだったけれど、リゼが招待される事は無かったし、自ら開催する事はもちろん無かった。

気楽では有るけれど、とにかく1日やる事が無い。

庭園を散歩したり、本を読んだりして時間を潰したけれど、それもいい加減飽きて来る。

だから、唯一時折訪ねて来るリュートとの会話は密かな楽しみでも有った。




その日はリュートが七ノ宮に来る予定だったけれど、約束の時間の少し前に、リュートではなく彼女の侍女がやって来た。

侍女は、リゼに五ノ宮に来て欲しいと言う。

「分かりました。すぐに行きます」

不審に思いながらもリゼは立ち上がり、メイを連れて五ノ宮に向かった。

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