それから、平和に毎日が過ぎていった。

リュート以外の妾妃と関わる事は無かったし、警戒していたテオという人物からの接触も無かった。

日中はクラウスが取り寄せてくれた織機に向かったり、リュートの宮を訪ねたりして過ごしていた。

そして夜は……。


「今夜も泊まるが、いつもの通りお前は寝所で先に寝て構わない」

クラウスが七ノ宮に頻繁に訪れる様になっていた。

日によっては夕食を共にとり、深夜まで会話をしたり庭を歩いたりして過ごし、そのままクラウスが泊まっていくという事が増えてきていた。

その分他の宮の妃……それから本当の恋人への訪問が減っているはずだった。

心配になり時折それとなく尋ねてみたけれど、クラウスは気にもかけていないようだった。

だからリゼもしつこくは問いただしたりせずに、クラウスの訪問を受け入れていた。

王に意見出来ないというだけでなく、口にはしなかったけれどクラウスとの会話をリゼ自身が楽しみにしているところが有った。

「お休みなさいませ」

いつも通り下がろうとしたリゼは、ふと思い立ち再びクラウスに近付いた

「どうした?」

怪訝な顔をするクラウスに、リゼは少し不安そうな表情で言った。

「明日の宴なんですけど……私は欠席してはいけませんか?」

「明日の宴は隣国の王族を迎えての正式なものだ。妃が出る事は義務だ」

クラウスは僅かに表情を曇らせながら言った。

「出たくないようだが、なぜだ?」

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