リゼがクラウスの隣に座ると直ぐに、ノックの音が部屋に響いた。

「入れ」

クラウスが言ったのとほぼ同時に扉が開き、若い男性が部屋に入って来た。

男性はクラウスより少し年上の様に見えた。
銀髪に漆黒の瞳が涼しげな整った顔をしている。

身に付けている濃紺の豪華な衣装から、身分の高い貴族で有る事がリゼにも分かった。

男性はリゼに気付くと驚いた様に足を止めた。

それから何か言いたそうな目をクラウスに向ける。

「リゼだ」

クラウスが表情を変えずに言うと、男性はハッとしたような顔をして再びリゼを見た。

それから納得したように頷くと、穏やかに微笑みながら言った。

「リゼ殿、初めてお目にかかります。私はラフィン・フリードと申します」

完璧な作法で言われ、その美しく流れるような動きに思わず見とれてしまう。

すぐに反応出来ないリゼより先に、クラウスが口を開いた。

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