お嬢様になりました。
エピローグ
ん?



「ちょっと!! どさくさに紛れてどこ触ってんのよ!?」

「お前……ムードが台無し」

「ムードもへったくれもないから!! 今のは隆輝が悪い!!」



甘い雰囲気は一気に吹っ飛び、私は体を起こしソファーに座り直した。


隆輝はヤル気のなさそうに隣に座った。


こんな流れで初めてを捨てるのは嫌。


初めてを捨てる前に問題が残ってるじゃん!!



「彼女いるのに私にキスしたの!?」

「はぁ? 彼女はお前だろうがよ!!」

「だってさっきの女の人……昨日の夜何かあったんじゃないの?」



聞きたいようで聞きたくない。


聞いておきながら、本当は耳を塞いでしまいたかった。



「あいつはそんなんじゃねぇよ」

「……本当に?」

「何だよ、お前ヤキモチ妬いてんの?」



口を尖らせ黙りこむ私を、ニヤニヤした顔で見てくる隆輝。


何よ人がこんな気持ちになってるっていうのに……。



「妬いちゃダメなの?」

「っ……お前……」



へ?


隆輝に肩を抱き寄せられ、強引に抱きしめられた。


戸惑ったけど、嬉しい気持ちの方が大きくて、離れられなかった。



「今のは反則だろ……」



隆輝の腕に手をのせキュッと握ると、更に隆輝に抱き寄せられられた。






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