――気になる。


意識しないようにしようと、キーボードを叩く指に無意味な力を込める。


おかげで私のパソコンが放つ音は一種の騒音と化している。
周囲の席の同僚が、若干迷惑そうに私に横目を向けている。
それがわかっていても、集中する方法を他に思い付かない。


だけど。


「……~~~!」


結局折れた。


私はさっきから私の気を散らしてる相手、真っ正面に向かい合って座っている郡司さんを睨み付けた。


「……なんなんですか、一体」


周りに聞こえないように、声をひそめてそう言った。
なのに本人はシレッと私から目を逸らして、自分のパソコンに目を走らせる。


――なんだ。


最初から言えば良かった。


『抗議』することで郡司さんが自分の仕事に戻ってくれるなら。
って言うか、私は無意味に向けられる視線にどれだけ長い間イライラしてたんだろう。

この作品のキーワード
遠距離恋愛  社内恋愛  意地悪  プレイボーイ  浮気  胸キュン  恋人  同僚  結婚  裏切り 

感想ノートに書き込むためには会員登録及びログインが必要です。