まほろば【現代編】

ii

ハルカを無理やりこちらの世界に引きずり込んでから三ヶ月ほど過ぎた。

週末は、ほぼ中臣家に来させて色々と講義をしているが、はっきり言って覚えは悪い。

自分がどれだけの力を持っているのか全く認識していないし、自分がどれだけ妖にとって狙われやすいかも自覚していない。

ハルカの主な力は癒す力。

それは、何も人に対してだけではなく動物や草木など生きているものすべてに対してそれは発揮される。

それは、妖も例外ではない。おそらく、妖は本能でそれがわかるのだろう。

だからといって、ハルカに危害を加えないというわけではない。

むしろ、多少傷つけたとしてもハルカを自分のものにしようとするだろう。

だから、なるべくなら俺がいつもハルカの傍にいるのがベストだ。

この間のかまいたちの件でホムラの力も上がったから、俺がいなくても多少は乗り切ることができるだろう。
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