私の婚約者は特殊捜査官

秀side

・・・

式の時間が来ても、

教会のドアが開かれることはない。

・・・

教会の中も、

ざわつき始めた。

・・・

いてもたってもいられなくなったオレは、

教会の外に出た。

・・・

「署長」

・・・

琴美の父であり、

警察署の署長であり、

特殊捜査官の指揮をする、

オレの上司。

・・・

「琴美がまだ来ないんだ。

何かあったんだろうか?」

心配そうな面持ちで、

廊下の先を見つめる署長。

・・・

「ちょっと見てきます」

そう言ったオレは、

待合室に急いだ。

・・・

曲がり角に差し掛かった瞬間。

誰かと勢いよくぶつかった。
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