For 10 years
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あれから一ヵ月半……


その間、絢華ちゃんは蒼太くんと、アパートに引きこもりがちになった。


進藤さんと佳菜子さんと俺とで、順番に様子を見に行った。


絢華ちゃんは、蒼太くんの相手はしているけれど、いつも優太くんの遺影と位牌とお骨を前に、涙を流していた。


おばあちゃんが亡くなってからは、絢華ちゃんにとって優太くんは、唯一の家族だった。


それに……


絢華ちゃんがどれだけ優太くんを愛していたか、必要としていたか知っているから……


泣いてる絢華ちゃんに、なんて声をかけていいのかわからなかった。
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