青空バスケ―3rd―
「ずいぶん甘えん坊だな、今日は」
「……ダメ?」
「いや……嬉しいけど」
そう言って振り返って微笑むと、大和はあたしのおでこにそっとキスをした。
「でも……ごめんな。
俺、午後から学校行かなくちゃいけないから」
「え……?」
あたしは慌てて部屋にある時計を見た。
時計の短い針は11を指していた。
……朝じゃなくて、もう昼だったんだ……。
「休日なのに……?」
「部活の引率。
今日は外で練習試合やるから」
そっか……。
授業やるだけじゃなくて、部活の顧問としても働かなきゃいけないんだもんね……。
……あたしは静かに大和から腕を離した。
「頑張ってね」
「……ありがとう」
大和はチュッと一瞬触れるだけのキスをすると、寝室を出て……あたしの部屋を出ていった。
……あたしは誰もいなくなった寂しい静かな部屋で、痛む頭を抱えながらもう一度ベッドに横たわった――